「今年は初診カウンセリングを導入しよう」「患者さんにニュースレターを送ろう」と、心新たに決意する医院はたくさんありますが、その多くは自然消滅してしまうようです。なぜでしょうか?

心の中で「できない理由探し」をさせないために。新しいチャレンジをする際に、まず考えたいこと。

心の中で「できない理由探し」をさせないために。新しいチャレンジをする際に、まず考えたいこと。

新しいことにチャレンジするとき、あなたはすぐに動けるタイプですか? それともなかなか腰が動かないタイプでしょうか? また、同僚や後輩スタッフはどうでしょうか?

たとえば「今年は初診カウンセリングを導入しよう」「患者さんにハガキやニュースレターを書いて送ってみよう」と、心新たに決意する医院はたくさんあります。しかし、その多くは行動にまで移されず、自然消滅してしまうようです。

なぜでしょうか? それは、そのスタッフが心の中で“できない理由探し”を始めてしまうからです。

「初診カウンセリングをやると言っても、何から手をつけていいのかわからない」
「ニュースレターをつくっているヒマがない」「パソコンが苦手で、できれば触りたくない」等。
そうしたときに先輩として、こんなアドバイスがあります。

『“できない理由探し”をやめて、“できる条件探し”をしようよ』

たとえば「初診カウンセリングを実際に導入して成功している医院を見学してイメージをつかむ」「他の歯科医院のニュースレターを集めてマネから始める」「まずパソコンを院長にお願いして買ってもらう」というように。

でも、そう言われて本当に“できる条件探し”ができる人はあまり多くないようです。
なぜでしょう?

それは「気持ちが動かない」からです。気持ちが動かないうちに、“できる条件探し”をするのは無理がありますよね。そこで必要なのは「やり方」の前に「それを自分がやる意味」です。

たとえば「初診カウンセリングを導入することで、虫歯になってからではなく、ムシ歯にならないためにメンテナンスに来院する患者さんが増える。すると、衛生士として学んできたことを生かせるチャンスが増えるし、患者さんから名前で呼ばれたり感謝の声がかかって、あなたの仕事のやりがいが増し、毎日が楽しくなるよ。そして医院にとっも……」というように。

意味なくやれば苦痛でしかないレンガブロックを運ぶ単純作業でも、「これは歴史に残る建造物をつくっているんだ」という意味が加わると人は意気に感じてやる、そんなたとえ話もあります。

人は、意味を見いだせたことにやりがいを感じます。逆に意味を見いだせない仕事には苦痛すら感じるもの。後輩に仕事を依頼するときや新しいチャレンジを促すとき、それが医 院にとって、そしてその人にとって、どんな意味を持ち得るのか、話してあげてはいかがでしょうか。

今回のレッスン

新しいことにチャレンジするとき、“できない理由探し”よりも、“できる条件探し”をしよう。そして、「やり方」の前に「それを自分がやる意味」を見出してあげよう。