普段日常的に使っている「言葉」ですが、普段から使っているからこそ、大事にしなければいけませんよね?
でも、そんな「言葉」の行き違いで、人と揉めることって結構あると思います。
そういう時って、そもそも使っている「言葉」の意味が、使う人によって異なっている。
そんな場合があったりします。
今回の記事では、そんな言葉にまつわるエピソードをご紹介します。

目次
1)「任せた」はずが、なぜか溝が生まれてしまう理由
2)浮き彫りになった「院長とスタッフ」の決定的なズレ
3)言葉をそろえるだけで、現場のストレスは劇的に減る

1)「任せた」はずが、なぜか溝が生まれてしまう理由

ある歯科医院で、スタッフミーティングがあった時の話です。
あるスタッフがこんなことを言い出しました。

「院長に院内掲示物の作成を任せてもらったが、これまでやったことが無く、心配だったので状況を逐一報告して指示を仰ぎながら仕事を進めていたら、院長から『君に任せたんだから、もうちょっと自分で考えて動いてくれないと困るよ』と言われたことがある。こういう場合って、どこまで自分で考えて動けばいいかわからなくなるんです。」と、、、

院長は「えっ、そこから説明しないとダメなの?」と一瞬戸惑いましたが、これはスタッフが勇気を出して伝えてくれた「現場の本音」なのだと受け止めました。
感情を一度脇に置き、後日、いつもお世話になっているコンサルタントに「こういう場合、どうしたらいいのか?」とふと漏らしたところ、それを聞いたコンサルタントは、「自分が思ったようにスタッフが動いてくれないのは、モヤモヤしますよね。」と慰めの言葉をかけつつ、こんな提案をしました。
「それは、おそらく”任せる”という言葉の定義が人それぞれ異なるから、陥っている問題なんだと思います。もし良ければ、一度全体ミーティングで”任せる”の定義を明確にしてみませんか?」
院長は「なるほど、確かに一理あるかもしれない」と考え、コンサルタントの提案通りに、”任せる”の定義を明確にするミーティングを開催することにしました。
そして、後日、コンサルタントのファシリテーションのもとで、安心安全ポジティブな雰囲気を作りつつ、ミーティングが開催されました。

2)浮き彫りになった「院長とスタッフ」の決定的なズレ

ミーティングで出された意見は驚くほどバラバラでした。

① スタッフ側:どういう状態になったら任せられているか?
・「これをお願いね」という具体的な作業手順まで指示がある。
・進め方を相談した時に、「その通りにやって」と正解をもらえる。

② 院長側:任せた状態とはどういう状態か?(院長側の意見)
・目標だけ伝えたら、あとの細かい報告は不要。
・自分で考えて問題が起きた時だけ相談に来てくれる。

いかがでしょうか?
院長は「自走してほしい」と思って「任せた」と言い、スタッフは「マニュアル通りに動くこと」を「任された」と捉えていたのです。これではボタンの掛け違いが起こるのも無理はありません。なので、いつも何気なく当たり前に使っている言葉こそ、言葉の定義を合わせることで、より確実で円滑なコミュニケーションが可能になると言えます。

3)言葉をそろえるだけで、現場のストレスは劇的に減る

この結果を受けて、この歯科医院ではこんな気づきがあったようです。

・こんなに、院長とスタッフで”任せる”の捉え方が違うと思っていなかった。
・任せる側と任せられる側の達成イメージを合わせないと、うまくお互いの目的が達成できないことがわかった。
・任せる範囲をきちんと決める必要があることがわかった。


この日を境に、この歯科医院では、コミュニケーションがうまくいかないときは、言葉の定義ミーティングをして意識合わせをすることで、日々のストレスが軽減していったそうです。
言葉の定義ミーティング、皆さんも是非導入してみてはいかがでしょうか?

今回のレッスン

・日常的に使ってる言葉でも立場が変わると意味も変わる場合がある
 自分が使ってる言葉が相手に同じ意味で伝わっているかメンテナンスが大事
・言葉の定義ミーティングを行うことで、組織全体のメンテナンスが可能になるので、おススメ

猪師 康弘

いのし やすひろ

ぼたんコンサルティング代表

中小企業診断士。ひとりひとりが輝ける快適な環境を整えワクワクする毎日を共に創る「快適経営実現パートナー」として、数々の企業を支援。
現在は大手総合電機メーカー(三菱電機)で、営業部門の「成果が上がる組織づくり・人材育成支援」を専門とし、企業のビジョン実現をサポートしている。
趣味は相撲観戦。

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https://ino-shindan.com

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